扉は閉ざされたまま/石持浅海
評価:A
あらすじ:密室殺人をやってみたら、何かごちゃごちゃ言われた。
素晴らしい、全く持って素晴らしい。これはおもしろい。
正直、最初読んだ時は、状況描写が客観的すぎて、小説書くのが下手なんじゃないかと一瞬疑いました。しかし、無駄を一切取り除いた本当に論理のみで書いている小説だと気づいた時に、全く世界が変わります。
後、評価できるポイントとしては、キャラクターですかね。
普通の推理小説と言えば、キャラが頭の悪いDQNキャラばかりで、謎は魅力的でも小説として全然おもしろくない作品が結構あります。
その点、この作品に出てくるキャラクターはキャラクターそれぞれに個性を割り振っているので、読んでいてイライラさせられず、すんなり感情移入できます。
この作品のキモは、完璧な計画を立て犯した密室殺人が、探偵により暴かれそうになるスリルにあるので、感情移入できるか否かは作品を楽しむ上で重要な要素ですが、やはりキャラクター立っている小説は普通に読んでいておもしろいですね。
氷菓/米澤穂信・愚者のエンドロール/米澤穂信
総評:B+
というわけで、氏のデビュー作。
あらすじは、無気力の主人公が気力のあるヒロインに引っ張られ謎を解決していく話。
謎自体も魅力的であるし、何よりキャラクターが生き生きしているのが印象的。因みに作者は講演会で「女性キャラは、男性の主人公に都合の良いだけのキャラにならないよう気を遣っている」との事をいっておりましたが、今読み返してみればなるほどと思えます。もっと因みに、媚び媚びの女性キャラも好きです。
閑話休題、こうなれば、挿絵の一つでも欲しいところではありますが、挿絵はありません。想像力で補ってください。補えない人は初版本を探してください。初版本だけ絵がついています。因みに初版本を探していますが、手に入りません。
米澤穂信講演会に行ってきました
行ってきました。
米澤穂信について知らない方のため、少しここに記します。
御人は、日常青春系ミステリーライトノベライズな作品を世に出している、今売れ筋の作家です。
例えば、部室がいつの間にか密室になっていた話、金曜日の昼休みに必ず同じ本を借りて必ず放課後に返す人の話、とかです。基本的に人は死にません。
人が死なないと言うとミステリーっぽくない気がしますが、ミステリー小説の醍醐味とは、論理的に謎を解くことだとすると、必ずしも人が死ぬ必要はないですいので、内容が薄いというこよはありません。むしろ青春ミステリーと称される作品ならば、この方がしっくり来ます。
当然青春なので、ボーイがガールにミーツします。ほんで成長します。好きです、こういう作品は。
と言うわけで、行ってきました。
大学サークル主催のミステリー作家講演会は、大御所でも3,40人しか来ないことはザラですが、意外や意外160人近く来ており大盛況でした。
内容については、はてなダイアリー内で検索しただけで10近くあるので割愛します。
ただ一つ述べるならば、サイン会の時に整理券を配られたのですがに名前欄に「清涼院流水」とか「神栖麗奈」とか書いたり、マス目にロボットの落書きとかダライアスの落書きを描く人達がいました。ふざけすぎで大変失礼であると思いました。