弱虫ペダル/渡辺航

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)

今一番おもしろい漫画は何?と聞かれたらこれを答えるだろうねえ。
チャンピオンで連載してる自転車漫画なんですけど、ストーリーをざっと述べると
・友達のいないオタク少年がいた
・高校に入ったら、アニメ研究会に入部しようと思っていた
アニ研が廃部していたので、部員集めを始めた
ロードレーサーを目指すかっこいい兄ちゃんに、「自転車レースでお前が勝ったら入部してやる」と言われたので、がんばることにした
こんな感じですかね。
特に読者をイラつかせる設定がないので、かなりサクサク読めます。
主人公にもたらされた設定は以下の三つだけです。
・遊び相手がいないので、小学四年生の頃から毎日秋葉原に通っていた
・電車賃がもったいないので、自転車で通っていた
秋葉原から自宅までは往復40kmあった
普通ならそんなバカな思う設定ですが、自分も学生時代暇つぶしに自転車で結構な距離をブラブラしてたのでわかるのですが、あながち不可能な数字ではないとも思います。
つまり40kmって言う設定は、ギリギリ可能だと読者に思わせる絶妙、かつわかりやすい数字なんですよね。
ここでポイントなのが、自転車競技がマイナーすぎるので読者が展開を予想しづらいって事です。
素人が毎日40km往復していたってはプロを目指すあんちゃんにどの程度通用するのか、ってことですけどね。まあそれは読んでのお楽しみ。


スポーツ漫画ってのはもう何十年も続いているジャンルですが、野球にせよサッカーにせよある程度試合展開は確立されているんで、結構飽きられてるジャンルに部類されると思います。
そこでマイナーなスポーツこそねらい目になってくるんですが、そうすると知らんスポーツの漫画なんぞおもしろくねえてな感じで、読者を引きつけるのが難しくなります。
マイナースポーツの深みを語る才能があっても、初期段階で読者を引っ張り込めなかったら失敗するのは間違いないく、逆にうまくやればスラムダンクの様に社会現象まで発展させられるってんで、おもしろいジャンルであると思います。
そこでこの弱虫ペダルですが
自転車競技自体はマイナーであるものの、自転車そのものはメジャーである
・毎日40kmというギリギリ可能かと思われる設定
・友達のいないオタク少年が主人公
以上のポイントを押さえており、特にチャンピオンなんぞ読んでいるのはジャンプやマガジンが性に合わないアウトローばかりだろうから(偏見)、主人公が友達のいないオタクって設定は相性がよろしいかと思われます。
まあ結構売れているみたいですし、今後が楽しみですね