扉は閉ざされたまま/石持浅海

評価:A
あらすじ:密室殺人をやってみたら、何かごちゃごちゃ言われた。


素晴らしい、全く持って素晴らしい。これはおもしろい。
正直、最初読んだ時は、状況描写が客観的すぎて、小説書くのが下手なんじゃないかと一瞬疑いました。しかし、無駄を一切取り除いた本当に論理のみで書いている小説だと気づいた時に、全く世界が変わります。
後、評価できるポイントとしては、キャラクターですかね。
普通の推理小説と言えば、キャラが頭の悪いDQNキャラばかりで、謎は魅力的でも小説として全然おもしろくない作品が結構あります。
その点、この作品に出てくるキャラクターはキャラクターそれぞれに個性を割り振っているので、読んでいてイライラさせられず、すんなり感情移入できます。
この作品のキモは、完璧な計画を立て犯した密室殺人が、探偵により暴かれそうになるスリルにあるので、感情移入できるか否かは作品を楽しむ上で重要な要素ですが、やはりキャラクター立っている小説は普通に読んでいておもしろいですね。