龍馬暗殺/高田崇史

歴代メフィスト賞作家群で随一のトレンディ作家、高田崇史による歴史の謎をひねくれ気味に解いちゃおうシリーズ第7段です。ここまで来るということは人気なんでしょうね。


内容としては、嵐の山荘ならぬ、嵐の4軒しかない村にやってきた一向は、高知だから龍馬の謎を解こうといつもの通り龍馬論議に華を咲かせていたら、4軒しかない村の分際で村民が刺されるという事件が起こります。にもかかわらず飄々と龍馬談義に華を咲かせていたら、4軒しかない村の分際で首つり事件が起こります。にもかかわらず飄々と龍馬談義に華を咲かせていたら、また村民が死にます。にもかかわらず飄々と龍馬談義に華を咲かせていたら、事件がとけたので、結局龍馬談義に華をさかせて締めくくるという、いつもより少し狂った内容です。


評価としては、いつもより歴史と結びつきが薄いかなとは思いますが、なまじ嵐の4軒しかない村を舞台にしてしまったため、逸脱っぷりがいつもより強調され、結果的にかなりおもしろかったです。やっぱメフィスト賞作家はこうでなくっちゃね。


後、おそらく不人気投票をやったらダントツ一位であろう小松崎の位置を、ものすごくというよりあまりにも典型的な「ヒロインの妹」キャラの棚旗沙織に置き換えたため、不要なイライラがとけ読みやすくなったのも加点対象ですね。この、あまりにも便利な脇役っぷりは、80年代テイストといいますか、最近ではあまりお目にかかれないですね。いや、関係ない話で申し訳ないですが。