スパイダー・パニック

やっぱり映画はキチガイが作った方がおもしろいですね。


内容としては、産業廃棄物で巨大化したクモが人々を襲うという40年くらい前の映画かと思われるものを、21世紀に大まじめに作った映画となっております。
この映画最大の特色は、「人間なんかよりクモの方が好きだ!」という観点の元に作られていることです。どうやってこんなキチガイ集められたんですかね、まったく。
理由としては、この映画の特色がクモの動きのコミカルさに妙に力が入っていることから推察できます。
人間の見せ場が、ションベンを洩らしつつカーチェイス空中アクションとなんか銃撃ってチェーンソー振り回すだけなのに対し、クモ達は、呼んだら振り返る、鹿の剥製をかじって不味そうにはき出す、とても息のあった協力プレイで人間を襲う、香水に酔ってフラフラ、など人間より見せ場が多いくらいです。
また、大きなクモに襲われているのに、ニヤニヤしているクモ好きの少年の存在が、この映画スタッフの気持ちを代弁しているようにしか思えません。


ストーリーに関しては、不満は特にないです。シンプル・イズ・ベストと言いますか。例えば、純粋に米が食いたい人間には、何も入っていないおにぎりがベストとなのです。
前半の主軸であるラブの部分を十秒足らずで決着をつけるあたり、脚本家の「人間なんてどうでもいい」感がよく出ていました。


ええ、もちろんB級映画です。B級もB級。ただ、CGも多いですし、石油タンク爆破させたりと妙に金使ってます。やっぱ有名俳優出さなかったら予算結構余るんですかね。よく知りませんけど。
ただ、こんなけB級を貫くなら、冒頭にエロシーンを入れて欲しかったですね。やっぱり「今からB級やります!」と宣言しているようなモンですからね、冒頭エロシーンは。


「映画は大筋より小技だ!」若しくは「人間よりクモが好きだ」という人には最適ですね。


*4月16日追記
しかし、こうやって思い返すと、「ダウン」が如何にキチガイ映画かわかります。
あっちは愛情の対象が「クモ」どころか、「エレベーター」だものなあ。