夏コミケ日記、今更

C70行ってきました。
貧乏リーマンらしく、夜行バスと直行バスを乗り継ぎ、向かうはビックサイト。そこは世界で一番欲望がぶつかる場所。
コミケは来たのは6年ぶりで、道順は全く覚えてないが、取り敢えずそこらへんの人について行けば最後尾まで行けるだろうと践んで、人の波に乗る。と言うか、何故あなた方は、何万もの人間が並ぶ複雑な経路で構成された大行列の最後尾まで、一歩も間違わず正確に辿りつけられるのか。獣の匂いを辿ってたのか。
最後尾では、スタッフの方が何やらしきりに叫んでいた。
「もっと詰めて並んでくださーい。もっと詰めてぇー!ほら、ここ一人入れる、一人入れる!」
と言っている間にも、後ろからドンドン人波は押し寄せてくる。そちらの誘導はそっちのけで一人分をスペースにこだわる様を見て、この方はきっとサッカーの司令塔には向いていないだろうと思案する。よかったニッポン。
止まったり歩いたり止まったり雲を見上げたりこの場所にテポドンが打ち込まれたら日本がどれだけ浄化されるだろうか試算している間に、会場に到着。
今回、巨大サークルはスルーし、掘り出し物の同人誌でも入手できればと赴いたので、入場はしたものの特に向かう所はなかった。
取り敢えずひぐらしのブースだけは見ておこうと思い、西館へ向かう。そこに見えるは炎天下の中、巨大な行列を構成する人、人、人。それはさも、白い砂浜一面に干されている有明海苔の様に。
さて、当初の目的を果たす為、鷹のような鋭い眼光でブースを巡る。日本有数の巨大会場に所狭しと並べられるポルノグラフティー。年齢制限の無い会場で売られるは、年齢制限に確実に引っかかりそうな少女の、いたいけなポルノアート。このイベントはロックだ。そしてこのイベントに来る君達もロックだ。とあるロックミュージシャンも言っていたそうな「真冬と真夏にやるんだろ?実にアグレッシヴでクールだ。」と。
玉石混淆する同人誌、それを手に取り一ページ一ページ検分する時の顔は、一億円の小切手を照合するより真剣で、十億円の取引を成功させた時より輝いていた。



帰りに、駅中の喫茶店で戦利品を漁っていたら、オレンジ200個の人に「貴様には恥がないのか」と怒られ、腹いせにオレンジ200個の人がトイレに行った隙に堂々と読みふけって見た。世界が広がった気がしたのは、周りの人が離れていったからだろうか。