僕らはどこにも開かない/御影瑛路

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)

評価:A-
こりゃあ拾いモンでさあ。冒頭4ページ目の「魔法」の単語を見て、「またラノベ魔法かよ、もううんざりですよ」と正直思いましたが、実は魔法魔法した魔法じゃなくて、ラノベ魔法食傷気味の方も安心の一品です。

因みにラノベ魔法とは、今フライ海老が作った造語です。特徴は、法則やできることできないことを定義せず、時と場合によって作者にとって都合のいい展開を生み出す設定のことである。現代社会を舞台としたラノベでよく使われ、「そんな能力が認知されていたら現代の文明とか思想に影響を与えて現代と同じ舞台設定になるわけないだろうが」という意見は次元の彼方へ吸い込まれる。
何らパッと思いつくのは、護くんに女神の祝福を!のビアトリスですかね。他にもゴマンとありますが、ラノベ魔法を多様する小説はほとんどおもしろくないので、タイトルさえ忘れてしまい、パッとは思いつかないのです。つまり、ラノベ魔法を使っているのにおもしろい護くんはスゴイ!と言うことです。(フォロー)

脱線しましたが、この小説に出てくる魔法はラノベ魔法ではないのでご安心を。
この作者は結構な文章力の持ち主で、見ててしんどくない文章、個性的なキャラクターの個性を不自然を感じさせず解説する手法、それを活かせる舞台設定、正にラノベ作家の見本みたいな作家です。良い意味で。

作品もなかなかの秀作だったのですが、圧巻だったのが、ラノベ板の御影瑛路スレ。
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1144421934/
このスレのルールは、必ず語尾に「御影」をつけることであり、前のスレでは1000レス中905レスに「御影」が含まれていて、この愛されっぷりはただごとじゃないと。