毎週火曜日は戦争の日でした。

我が家の慣例として、火曜日午後9時は、父が居間でロンドンハーツを観ている間、母は台所で火曜サスペンス劇場を観ています。
ここまでは母が一歩譲って小康状態ですが、9時52分から我が家の戦争が始まります。
父はその後、ニュースステーションをスライドして観るため、チャンネルはそのままにしたいのですが、母が居間でくつろいでドラマの佳境を観たいがため、両者の間に亀裂が走ります。
ここで、重要なニュースがある時は父が勝ち、ない時は母が勝ちます。この境が微妙なため戦争が起こるわけです。
父がサスペンス劇場を観ながら寝る時はなんら問題はありませんが、起きてた時は戦争が激化します。
まず、父は内容が陳腐だと批判します。そうすると母は必ずロンドンハーツの内容の低俗さをほのめかし批判します。そして、父は配役から犯人を割り出し、先の展開を言い当てます。
これは半々の確率で当たるため、母は言われる前にみかんやお茶を差し出すことにより、相手の攻撃を無効化します。
攻防の末、父が寝れば母の勝ちで、寝なければ泉ピン子の演技で失笑され、気が散ってドラマに没頭できないので負けということになります。


ところが、最近の母は先制攻撃に、父の夕飯に焼酎に梅干しを入れたもの出します。これは父にとって睡眠薬に等しく、あれほど楽しみにしているロンドンハーツの途中で寝てしまうという大量破壊兵器です。


おそらく、母がイラクにいけば世界情勢は…全く変わることはなかったでしょう。
北朝鮮に行ったならば、ある程度は変わったでしょう。拉致問題が。