SEVENTH CROSS/NECホームエレクトロニクス

料理に興味がない、そして上記のゲームを見たことがない人は、Googleで「カニが強すぎる」で検索することは一生ないと。*1
 
このゲームを語る上で重要なキーワードは「カニ」に集約されます。
何の前知識もなくこのゲームをやった人は、絶対にすぐ主人公の死を体験することとなります。「チャッチャッチャ」と謎の音*2とともに。
多くのプレイヤーは、自分が何者であるか知ることもなく。
これは絶対です。
たとえこの世に絶対は絶対なくとも、絶対カニに喰い殺されます。
カニは絶対倒せません。
絶対というのがピンと来ない人は、ドラゴンクエスト3に置き換えますと、ナジミの塔でとうぞくのかぎをとる前に、ホイミスライム5匹引き連れたさまようよろい2匹と戦う強制イベントがあるものと考えてください。
もちろんレベルを上げることによりカニは殺せます。
しかし、レベルが上がる前にカニに殺されてしまうと、1からやり直しに近い状態に陥ります。
カニは視覚範囲に入れば容赦なく追跡してきます。振り切るには、気の遠くなるほどの恐怖と戦いつつ長い逃亡劇を演じなければなりません。
さらに、レベルを上げるため他の敵と戦ってる最中に、自由移動するカニの視覚範囲に入ると…いう事態はざらにあります。
ここで多くのプレイヤーが「チャッチャッチャッ」という音に絶望という言葉の意味を知ることとなります。
そして、死ぬ気でレベルを上げたプレイヤーは、ついにカニを倒します。
ここで多くののプレイヤーは、バラモス退治以上の満足感達成感を得て、他のゲームを興じることとなります。
因みにこのゲームにおけるカニの位置づけをドラゴンクエスト3に置き換えますと、バブルスライムに。


そういえば、ワープという会社の飯野賢治は、エネミーゼロというゲームのコンセプトに、敵が近づいてくるのを音のみで知らせることにより、新しい恐怖感を作ろうとして何かを間違えクソゲーを作ってしまった前科がありましたが、それをNECは「音による恐怖」というコンセプトを、意図してか否かは別として、あっさり乗り越えたわけですね。

*1:昔は3件だったんですけど、今は1件しか出ないことについて、いつからGoogleはこんな使い勝手が悪くなったのとの疑問

*2:カニの歩く音とは思えないカニの歩く音